技能実習(ぎのうじっしゅう)の仕組(しく)みについて~わかりやすく解説(かいせつ)~
技能実習(ぎのうじっしゅう)の仕組(しく)みについて~わかりやすく解説(かいせつ)~
日本(にほん)で働(はたら)く外国人(がいこくじん)(永住者(えいじゅうしゃ)以外(いがい))の中(なか)で一番(いちばん)多(おお)い在留資格(ざいりゅうしかく)を知(し)っていますか?
それは技能実習生(ぎのうじっしゅうせい)です(2021年(ねん)6月末(がつまつ)時点(じてん))。技能実習(ぎのうじっしゅう)で成功(せいこう)した外国人(がいこくじん)はたくさんいますが、不当(ふとう)な費用(ひよう)を払(はら)ったり、実習先(じっしゅうさき)の会社(かいしゃ)で不当(ふとう)な扱(あつか)いを受(う)けたりする外国人(がいこくじん)もいます。技能実習(ぎのうじっしゅう)の仕組(しく)みをよく知(し)ってから応募(おうぼ)しましょう。
技能実習(ぎのうじっしゅう)とは?
技能実習とは、外国人が1~5年、日本の工場や建築現場、農場などで働きながら日本の技能を学ぶ制度です。働きながら学び、母国の発展のために生かすという趣旨なので、「技能実習」という名前になっています。2021年時点で、3年間働ける職種は85種類、5年間働ける職種は77種類あります。
働(はたら)く外国人(がいこくじん)の中(なか)で最(もっと)も多(おお)い
◆日本に住む外国人(主な在留資格)
2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | |
---|---|---|---|---|---|
総数 | 2,561,848 | 2,731,093 | 2,933,137 | 2,887,116 | 2,823,565 |
永住者 | 749,191 | 771,568 | 793,164 | 807,517 | 817,805 |
技能実習 | 274,233 | 328,360 | 410,972 | 378,200 | 354,104 |
技術・人文知識・国際業務 | 189,273 | 225,724 | 271,999 | 283,380 | 283,259 |
留学 | 311,505 | 337,000 | 345,791 | 280,901 | 227,844 |
定住者 | 179,834 | 192,014 | 204,787 | 201,329 | 199,288 |
家族滞在 | 166,561 | 182,452 | 201,423 | 196,622 | 190,010 |
日本人の配偶者等 | 140,839 | 142,381 | 145,254 | 142,735 | 140,987 |
特定技能 | – | – | 1,621 | 15,663 | 29,144 |
出典:政府統計の総合窓口(e-Stat) の在留外国人統計(旧登録外国人統計)を加工して作成
※2021年は6月、それ以外は12月のデータ
※3カ月以下の滞在者は含まない
日本に在留する外国人は2,823,565人(2021年6月時点)ですが、そのうち約30%の354,104人が技能実習生です。新型コロナウイルスの影響で2020~2021年は技能実習生が減りましたが、それまでは急増し続けていました。
技能実習生(ぎのうじっしゅうせい)の国籍(こくせき)・職種(しょくしゅ)・期間(きかん)は?
◆国籍別の技能実習生の人数
国 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
総数 | 354,104 | 100% |
ベトナム | 202,365 | 57.1% |
中国 | 55,522 | 15.7% |
インドネシア | 30,978 | 8.7% |
フィリピン | 28,132 | 7.9% |
タイ | 9,511 | 2.7% |
出典: 政府統計の総合窓口(e-Stat) の在留外国人統計(旧登録外国人統計)(2021年6月時点)を加工して作成
- 日本での技能実習生が多い国はベトナム、中国、インドネシアの順です。
- 技能実習の職種は決められています。
- 技能実習には1号(1年目)、2号(2~3年目)、3号(4~5年目)があります。多くの場合、1号と2号の合計3年間を行います。
※1号しかできない職種もあります。トラブルにならないように、3年間働けるかどうか、面接前によく確認してください。
技能実習(ぎのうじっしゅう)をするには?
母国の送出機関に依頼し、日本の受入企業の面接に合格すれば、事前の日本語などの教育を受けてから日本に行きます。日本では受入企業が実習生の住宅(寮)を用意し、仕事や生活で困ったことがあれば、会社以外に組合(監理団体)が支援することになっています。組合は多くの場合、協同組合が行います。
技能実習(ぎのうじっしゅう)の流(なが)れ(ベトナムの例(れい))
ここでは、技能実習の全体の流れを紹介します。
技能実習に技能実習には母国の送出機関と日本の組合が関わります。
※母国によって違いがあります。
※海外にある子会社の従業員に日本の親会社で研修を受けさせる企業単独型の技能実習もあります。
① 組合(くみあい)が求人(きゅうじん)を探(さが)します
- 日本の組合が受入企業から求人をもらいます。
- 組合は、求人をもらったら、外国の送出機関に技能実習生の候補者の紹介を依頼します。
② 送出機関(おくりだしきかん)が候補者(こうほしゃ)に求人情報(きゅうじんじょうほう)を紹介(しょうかい)します
- 送出機関は技能実習生の候補者を常に募集しています。
- 日本の組合から依頼された求人情報を候補者たちに紹介します。
③ 面接(めんせつ)と採用(さいよう)
- 求人に応募した候補者を、受入企業(または組合)が母国の送出機関で面接し、合格すると実習生としての採用が決まります。
④ 事前教育(じぜんきょういく)と日本(にほん)への出発(しゅっぱつ)
- 面接合格者は送出機関から日本語などの教育(多くの場合3~6カ月間)を受け、日本に出発します。通常、全寮制の日本語センターで授業を受けます。また、在留資格(ビザ)の取得もサポートしてもらいます。
※面接前からしっかり教育する送出機関もあります。
⑤ 入国後講習(にゅうこくごこうしゅう)を受(う)けます
- 日本の組合が実習生に1カ月以上、日本語や日本での生活などについて講習します。
⑥ 実習開始(じっしゅうかいし)!
- 受入企業で技能実習が始まります。
組合(くみあい)の役割(やくわり)
技能実習の期間中、組合には次のような役割があります。
- 受入企業が適切な技能実習を行っているかチェックし、入管に報告(3カ月に1回以上)
- 1カ月に1回以上、受入企業を訪問し、指導(1年目の実習生がいる場合)
- 実習生から母国語で実習内容や待遇、生活などの相談に乗る
技能実習で充実した日本生活を送り、母国に十分な仕送りをする実習生もたくさんいます。しかし、中には、暴力・暴言や残業代不払いといった問題を起こす受入企業もあります。その場合、最初は組合に相談しますが、それでもだめな場合は、OTIT(外国人技能実習機構)に連絡しましょう。OTITは組合や受入企業を指導する強い権限を持っています。
【参考(さんこう)】もっと知(し)りたい人(ひと)こちらをcheck!
送出機関をどうやって選んだらよいか?については、こちらの記事を読んでください。
キャリアデザイン講座 ビルクリーニング業界編|JICA-Netライブラリ
キャリアデザイン講座 自動車整備分野の仕事編|JICA-Netライブラリ
キャリアデザイン講座 飲食料品製造業界編|JICA-Netライブラリ
技能実習が継続できなくなった場合に利用できる制度のご案内(雇用保険、休業手当)
参照元:JP-MIRAIポータル (https://portal.jp-mirai.org/ja/work/s/tech-intern/comprehend-tech-intern)
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