違約金の定めに要注意!日本では法律違反です!
違約金の定めに要注意!日本では法律違反です!
・はじめに
ウズベキスタンでは、労働者に労働契約の不履行があった際に違約金を支払わせる旨の合意をすることも許容されうると聞きましたが、日本法では禁止されています(労働基準法16条)。そして、技能実習・特定技能の場合にこのような違約金を定めていると、受入企業は外国人労働者を五年間受け入れられなくなるという大きなペナルティが課されます。したがって、日本で就労したい人は違約金の定めをするような送出機関とは契約するべきではありません。送出機関としても、受入企業と良好な関係を維持したいのであれば違約金の定めをするべきではありません。
以下でもう少し詳しく説明していきます。
・技能実習
技能実習については、日本政府とウズベキスタン政府がMOUを結んでいます。このMOUでは、送出機関又はその役員が、過去5年以内に、技能実習に係る契約の不履行について、違約金を科す契約をしていないことや人権を侵害する行為を行っていなことが条件とされています。その他にも、送出機関が脅迫、自由の制限その他人権を侵害する行為をしていないことも条件となっています。
そして、受入企業が技能実習を実施するためには、技能実習生やその家族・親族等が技能実習に関連して金銭その他の財産を管理されていないこと、技能実習に係る契約の不履行について違約金を定める契約をしていないこと、受入企業が送出機関や監理団体などとの間で技能実習に係る契約の不履行について違約金を定める契約をしていないことが条件となっています(技能実習法9条、47条、技能実習規則10条2項6号)。
もしこれらの規定に違反していた場合、技能実習計画の認定が取り消され(同法16条1項7号)、受入企業は現在受け入れている技能実習生の受入れを継続できなくなります。また、取消の日から5年間新たな技能実習生を受け入れることができなくなります(同法10条1項7号)。
・特定技能
特定技能も技能実習と同じような規制になっています。特定技能外国人及びその親族等が保証金の徴収や財産の管理をされ又は違約金契約を締結させられていることなどを受入企業が認識したうえで特定技能外国人を受け入れた場合には、受入企業は特定技能外国人を5年間受入れができないこととなります。
・技人国
ウズベキスタン法上、技人国ビザで日本企業に就職する場合、日本企業と直接契約する場合を除いて、送出機関を関与させる必要があります。そして、多くの場合、送出機関は日本側の職業紹介事業者と提携する必要があります。日本の職業安定法は、職業紹介事業者が、求職者との間で職業紹介に係る契約の不履行について違約金を定める契約等をしている送出機関と契約することを禁止しています(職業安定法32条の12第1項・指針第6-10)。
・終わりに
日本企業にとって、日本就労希望者との間で違約金を定めている送出機関と契約すると法律違反になるだけではなく、技能実習・特定技能の場合は外国人労働者の受入停止処分という重いペナルティがあるため、このような送出機関から労働者の受入れは控えるでしょう。ウズベキスタンの送出機関・日本就労希望者はこの点に注意してください。
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