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ウズベキスタン進出企業をサポートする弁護士

ウズベキスタン進出企業をサポートする弁護士

Yarashev Nodirbek(ヤラシェフ・ノディルベック)

出身地:ホラズム
所属:弁護士法人瓜生・糸賀法律事務所タシケントオフィス代表
(ウズベキスタン法弁護士)

経歴

タシケント国立法科大学・名古屋大学日本法教育研究センター卒業(2010年)
早稲田大学院法学研究科修士課程修了(2014年)
弁護士法人瓜生・糸賀法律事務所(2012~現在)

日本留学を目指したきっかけ

子供のころから法律家に関心を持っていました。高校生の時に歴史に関する全国大会で優勝したことにより、入学試験免除でタシケント国立法科大学に入学することができました。入学後に名古屋大学日本法教育研究センターが新入生を募集していて合格にはひらがな・カタカナ試験を受ける必要があると聞き、新しいことに挑戦するのが好きだった私はひらがな・カタカナの勉強をして試験を受けたところ、合格しました。センターでは日本人の先生たちに親切に教えていただいて、日本語への関心が高まりました。3年生のときに名古屋大学の夏季セミナーという研修に参加して日本を訪れたことにより日本の大学院に留学したい気持ちが強まり、今まで以上に日本語・日本法の勉強に力を入れました。

早稲田大学への留学

努力を重ねた結果、文部科学省(MEXT)の国費奨学生として早稲田大学の修士課程へ留学できました。日本の生活環境の非常によく、色々な国の留学生とも交流でき、なじみやすい環境でした。早稲田大学での学習が始まったばかりのころは、授業はすべて日本語で、事前準備の負担も重く、他の留学生は日本語の上達が早い中国人・韓国人が多かったため授業についていくのに苦労しましたが、「国有企業の民営化」をテーマにした修士論文を執筆し、博士課程にも進学できました。後述する仕事が多忙のため博士課程は中退しましたが、いずれ再挑戦するつもりです。

法律事務所での活動

留学中に瓜生・糸賀法律事務所の弁護士と会う機会があり挨拶したところ、同事務所が日本企業によるロシアビジネスの法的支援をはじめた段階だったこともあり、旧ソ連のウズベキスタン出身でロシア語がわかる私に興味を持ち、外国法研究員として働かないか誘われ、面接を受けることになりました。面接には数人の日本の弁護士が参加したので驚きましたが無事採用され、案件に関する法制度の調査等に携わっていました。

ウズベキスタン法弁護士としての活動

2014年にウズベキスタンに帰国し、私立銀行のインハウスロイヤーや法律事務所でのインターンを終え、201610月からウズベキスタン法弁護士として活動を始めました。2016年はミルジョエフ現大統領が就任して経済自由化が始まったので、日本企業の進出が増えることを見込んで瓜生・糸賀法律事務所のタシケントオフィスが設立され、私がウズベキスタン法務の代表弁護士となりました。

設立当初は現地の日本人関係者間の認知度が低かったものの、ウズベキスタン法の情報発信を地道に継続することで次第に認知度が高まり、日本企業からの相談が増えました。ウズベキスタンに進出する日本企業が増加傾向にあり、現在は毎月新規案件が来ているので人員拡大も検討しています。

日本企業の支援内容

クライアントは日系企業が多く、現地法人・駐在事務所の設立等の進出支援、会社法・人事労務・税務などの日常的な法律顧問業務、ウズベキスタン法の調査レポート業務など幅広く対応しています。JETROから調査業務を受託して「ウズベキスタン拠点(法人および駐在員事務所)設立ガイド」や「ウズベキスタンにおけるサービス分野(外食、学習塾、人材送出機関)の事業設立ガイド」などを作成し、JETROのウェブサイトで公開しています。その他に、民間送出機関のライセンス取得対応や行政当局対応などもしています。

ウズベキスタン進出を検討している日本企業に伝えたいこと

ウズベキスタンは親日国のひとつで、昔から日本との関係がよいです。日本企業にとってなじみのない国ですが、一度ウズベキスタンにお越しいただいて経営者などと会ってみると面白いアイデアが生まれたり、良いビジネスマッチングの機会になると思います。今まで支援した会社の中には成功事例もあれば、当然失敗事例もあります。成功事例では、日本企業での社会人経験がある優秀で人柄がよいウズベキスタン人が懸け橋となっていることが多いです。

日本語で読めるウズベキスタンの法制度や市場に関する情報も限られていますが、JETROなどに一定の情報もあります。現地でサポートできる人材もいるので、必要に応じて専門家を活用してウズベキスタンでのビジネスを進めてほしいと思います。

後輩たちに伝えたいこと

勉強は日本だけでなく他国でも可能ですが、日本人は性格的にウズベキスタン人に似ているところも多く、親しみやすい環境だと思います。みなさんには、アルバイトで稼ぐといった短期的な利益に目を向けるのではなく、長期的な目標を持って日本に留学してほしいです。将来の自分の成功のために何をすべきか考えて勉強に励み、ネットワーキングに力を入れることを勧めます。ネットワーキングは必ずしも日本人コミュニティだけではなく、留学生コミュニティもよいと思います。インターンシップなどを通じて日本企業で働き、会社の中から日本の会社・社会がどのように動いているのかを見ることもよい経験になります。そのような情報を持っていると、日本でキャリアを続けるべきか、ウズベキスタンや他国でのキャリアを目指すべきか判断しやすくなると思います。

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