弁護士になって、外国人労働者の権利を守りたい
弁護士になって、外国人労働者の権利を守りたい
日本語能力を高めることで学費の免除、奨学金を獲得できる
ラヒモフ アンワルベック
(1999年、ホレズム州生まれ)
2015年-2018年 ウルゲンチ市サービスとビジネス専門高等学(ウズベキスタン・ウルゲンチ市)
2018年12月-2019年3月 日本語塾(WELL Studies、ウズベキスタン・ウルゲンチ市)
2019年-2021年 上山学院日本語学校(日本、名古屋)
2021年-現在 名城大学法学部(日本、名古屋天白キャンパス)
自己紹介
私は幼い頃から弁護士になって人々の権利を守りたいという強い夢を持っていました。法学を学ぶなら、法律制度がウズベキスタンに近い国が良いと考え、日本への留学を決意しました。日本でキャリアを築く上で日本語は必須であると感じ、まずはホレズム州にある日本語教室で学び始めました。約3ヶ月間の日本語学習を経て、名古屋にある日本語学校へ留学することにしました。
日本語学校への準備
日本語学校に入学するための準備として、まず初級レベルの日本語力を身につけることが大切だと思います。授業だけでなく、日本での日常生活にも日本語は欠かせないからです。日本語学校に通うためには様々な費用がかかり、仲介会社の手数料500ドル、学費7,800ドル、航空券800ドル、そしてアルバイトが見つかるまでの生活費として3,000ドルを必要としました。
留学前の準備段階では、日本の文化や生活習慣についてもできる限り情報を集めました。日本での生活はウズベキスタンとは大きく異なる部分が多く、日本のマナーやルールを理解しておくことは留学生活をスムーズに始めるためにとても重要でした。また、日本語教室で基本的な会話力を身につけておくことで、現地に到着した際に言語の壁を少しでも感じにくくすることができました。
日本語学校から大学進学へ
2019年から2021年まで、私は上山学院日本語学校で日本語を学びました。この学校は大学進学に特に力を入れており、日本留学試験(EJU)対策の授業がメインでした。勉強の結果、私は日本留学試験で292点を取得することができました。この成果により、進学の自信がつき、次のステップに進むことが可能となりました。
名城大学に出願するために少なくともJLPT N2が必要です。また専攻する学科によって求められる資格が異なってきます。私は日本語力を高めるだけでなく、大学進学のために入試対策にも力を入れました。志望大学の過去問を解くことや、小論文の書き方、面接の準備をしっかりと行いました。入試では、論理的な思考を問われることが多いため、自分の意見を整理して論文として表現する訓練を徹底しました。その結果、名城大学法学部に無事入学することができました。
大学の授業とサポート制度について
大学の授業内容は、日本の高い教育基準に基づいており、幅広い知識と専門性を身につけることができました。留学生向けの支援制度としてStudent Assistant(SA)制度があり、これは非常に頼りになる存在でした。この制度では、日本語に不安があるときや大学生活に関する悩みについて、日本人の先輩に相談できる仕組みです。このような支援があることで、スムーズに大学生活を送ることができました。
また、授業以外でもゼミ活動を通じて、他の学生との意見交換やディスカッションを行うことで、自分の考えを深める機会が多くありました。特に、法学のゼミでは実際の裁判事例をもとに議論をするなど、理論と実践を結びつけることができ、大変有意義でした。
学費、アルバイト、奨学金
名城大学の学費は他の私立大学と比較するとかなり安いと感じています。年間約64万円です。また、成績基準に基づく学内奨学金制度を利用することで、学費の半額免除を受けることができました。この制度により、アルバイトにかける時間を減らし、勉強に集中する時間を増やすことができました。
アルバイトはユニクロで行っています。この経験を通じて、日本の職場文化やビジネスマナーを学ぶことができました。日本のサービス業では、顧客への細やかな配慮が重視されており、その実践を通じて、将来的に社会に出た際に役立つスキルを身につけることができました。
また、学外からも様々な奨学金を受けることができました。横山国際財団や米山ロータリー財団からの奨学金は、私の生活費や学費の負担を大きく軽減してくれました。これらの奨学金制度により、財政的な不安が減少し、学業に専念することができました。また、財団の活動に参加することで貴重なネットワークや異なるバックグラウンドを持つ人々との交流の機会も得ることができました。
在学中の課外活動
学業以外にも様々な課外活動に積極的に参加しました。例えば、名古屋にある高校で母国ウズベキスタンの紹介を行い、異文化理解の促進に貢献しました。また、愛知県庁が主催する「外国人留学生地域定着フォーラム」に企画チームメンバーとして参加し、留学生の地域社会への定着について議論し、その意見を政策に反映する機会を得ました。さらに、中日新聞とGoogleが共同で行った「愛知県魅力発信プロジェクト」にも参加しました。このプロジェクトでは、愛知県の魅力を国内外に発信する活動を行い、地域とのつながりを深めました。
また、名古屋ウズベキスタン友好協会の学生担当として活動し、後輩たちに進学支援を行っています。進学相談や勉強会の開催など、これから日本に留学する後輩たちがより良い環境で学べるようサポートしています。この活動を通じて、コミュニティの一員としての責任感を感じるとともに、自分自身の成長も感じています。
大学卒業後の進路
大学卒業後は大学院に進学する予定です。特に国際私法に興味があり、外国人労働者に関する法的な問題について研究を進めたいと考えています。グローバル化が進む現代において、異なる国籍を持つ人々の権利を守ることはますます重要となっています。そのため、国際私法を通じて法的な枠組みを理解し、ウズベキスタンと日本の橋渡しとなるような活動をしていきたいです。
将来的には、ウズベキスタンに戻り、国際的な法律知識を活かして、外国人労働者の権利を守る活動や、ウズベキスタンの法制度の発展に貢献したいと考えています。また、日本での経験を生かして、日本企業とウズベキスタンの企業の間での法律面でのサポートも行いたいです。
ウズベキスタンからの留学生へのアドバイス
ウズベキスタンから日本に留学を考えている方々には、まず留学の目的を明確にすることが重要だとアドバイスしたいです。その目的に応じて、どのような環境が必要で、日本でそれを得ることができるのかをきちんと考えることが大切です。また、日本語力をできる限り高めておくことは、学業だけでなく、生活全般においても非常に大きな助けとなります。
さらに、日本での生活はウズベキスタンとは異なる部分が多いため、文化や習慣の違いに対して柔軟な姿勢を持つことが大事です。異文化の中で生活することで、視野が広がり、新たな価値観を得ることができます。そのため、困難に直面した時にも前向きに挑戦する姿勢を持ち続けることが成功の鍵となると思います。
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