ウズベキスタン移民情報の概要
ウズベキスタン移民情報の概要
移民労働の動向
ウズベキスタンの人口は3600万人を超えるが、そのうち約200万人(男性1,452,300人、女性547,700人)が移民労働者として登録されている(IOM Compilaton Report)。国外在住ウズベキスタン人は総人口の約6%である。以下の表のとおり、この割合はアジア各国と比べても高い。ウズベキスタンでは人口増加の速度に労働市場の拡大が間に合っていないため、2024年には労働移民に関する大統領令が発出され、2026年までに数十万人規模の移民労働者の送出しを計画している。移民送出の対象国には日本も入っており、2026年までに1万人以上の送出をする計画となっている。
出典:EY 新日本有限責任監査法人、2022、『日本での就業機会を活用した産業人材育成事業に係る情報収集・確認調査報告書』、JICA(以下「JICA・EY報告書」)
出典:JICA・EY報告書
対外労働移民庁による情報
対外労働移民庁によると、移民庁によって移民労働者として登録されている者の渡航先としてロシアが最大で、カザフスタン、トルコ、韓国と続く。移民労働者の5割以上が建設業に従事しているが、ロシア・カザフスタンでは建設・農業に従事する者が多く、トルコでは女性が家政婦やサービス業(観光業・清掃等)として働く例が多い。韓国では雇用許可制のもと4割以上が製造業に従事しているほか、ホテル等のサービス業・農業・建設業などにも従事している。
出典:IOM Migration Situation Report Oct-Dec 2023
2023年に対外労働移民庁を通じて送出された移民労働者の内訳は、ロシア29,249人、韓国4,882人、イギリス1,929人、カザフスタン1,326人、日本55人、その他1,015人である。
2019年に日本との間で技能実習・特定技能に係る二国間覚書を締結したことにより、小規模ではあるが徐々に日本への送出が増加している。
ウズベキスタンの平均賃金・送金
ウズベキスタンの平均賃金は月387USDである(2024年stat.uz)。都市別にみると、最も高いのはタシケント区(640USD)で、最も低い部類に入るのはスルハンダリヤ州(277USD)、カシュカダリヤ州・ナマンガン州(284USD)である。
移民労働者の地域別の割合でみるとフェルガナ盆地・ホラズム・ブハラ・サマルカンド・カシュカダリヤ・スルハンダリヤ等の出身者が多く、ウズベキスタン全体としてみれば賃金水準は低いため、移民労働者の多くの目的は出稼ぎである。出稼ぎ先の収入はその国の賃金水準に応じて変動するが、昨今の円安もあり、韓国、欧州、イスラエルなどの移民労働者向け求人では日本の賃金水準を上回る例が多い。
出稼ぎの主目的の一つが送金である。ウズベキスタン中央銀行によると、2023年の国外からウズベキスタンへの送金額は11,4billionUSDでGDPの約12.5%である。送金の使途は家族の有無などにより異なるが、ウズベキスタンの若年層の場合、婚姻費用(ウズベキスタンでは結婚式に数万ドルかけることが一般的である)や家・車の購入費に充てる例が多いと思われる。
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