日本でアパートを借りる方法

マジドフ・ テムル

（1993年サマルカンド生まれ）
2008-2011 サマルカンド法律専門学校
2013-2016 TEKHNOREZKA Co.,Ltd. 営業部に勤務（モスクワ、ロシア）
2017-2019 東京語文学院日本語学校
2019-2023 千葉商科大学 商経学部 経済学科
2023年から 株式会社Utility House営業部に勤務

1. 自己紹介

私は、大学4年生の頃からインターンとして株式会社Utility Houseで勤務しています。弊社は、外国人向けに不動産売買や賃貸サービスを提供している会社です。入社以来、120件の契約を担当しました。そのうち8割のお客様はウズベキスタン出身、残り2割はロシア、パキスタン、ネパールなどの他国出身の方々です。

2. 日本でアパートを借りる流れ

日本で部屋を借りる手続きは、他国と大きく異なります。例えば、ウズベキスタンやロシアでは、アパートを借りる際に大家さんと直接交渉し、契約書などがないことも珍しくありません。しかし、日本では外国人にとって少し分かりにくい部分もあります。日本では、マンションやアパートの大家さんに直接会うことはほとんどなく、不動産会社を通して契約を進めるのが一般的です。以下はその流れです。

1. 不動産会社で部屋を探す

2. 物件選びのポイントを確認する

3. 内見後、必要な書類や情報を準備して申し込む

4. 保証会社、管理会社、オーナーによる審査結果を待つ

5. 審査が通れば契約を締結し、入居

一つ一つ説明しながら、気をつけるポイントを紹介します。

1. 不動産会社で部屋を探す

現在、日本では外国人居住者が増えていますが、ルールやマナーを守らない一部の外国人の影響で、外国人の入居を断るアパートや、入居時に日本語能力を求める物件もあります。部屋探しのアプリで見つけた物件でも、外国人が入居可能かどうかが明示されていないことが多いため、街の不動産会社に相談するのが早道です。

2. 物件選びのポイントを確認する

日本では、物件の図面を見れば内見しなくてもある程度の情報を把握できます。物件情報には必ず発生する費用と、物件によって異なる費用が記載されています。主に発生する費用としては、保証会社の保証料、火災保険料、敷金、クリーニング費用、仲介手数料、24時間緊急サポート費用、数ヶ月分の前払い家賃があります。また、礼金、管理費、鍵交換費用などもかかることがあります。初期費用を抑えたい場合は、事前に「礼金がない部屋が良いです」と伝えることが大切です。

3. 必要な書類や情報を準備して申し込む

申込時に必要な書類は以下の通りです。

• 身分証明書（パスポート、在留カード）

• 健康保険証

• 在職証明書、給料明細、在学証明書（学生の場合）

また、緊急連絡先の情報も必要です。

4. 保証会社、管理会社、オーナー審査の結果を待つ

管理会社は、マンションや部屋の設備の問題を解決する会社です。保証会社は、家賃滞納時に代わりに支払う会社で、保証会社を使わない場合は連帯保証人が必要になります。審査では、保証会社と管理会社が本人確認を行い、その後オーナー審査が行われます。審査が通らなかった場合は、理由を確認し、改善できる点を修正して次の物件に申し込みます。

5. 審査がOKなら契約を締結し、入居

契約書は日本語で記載されており、内容を不動産会社の担当者に確認してもらいながら進めることが重要です。契約締結後、入居日や入金期限を確認し、期限内に支払いを完了して鍵を受け取ります。

3. 用語一覧

• 家賃: 住居の使用に対して毎月支払う費用

• アパート: 賃貸用の集合住宅

• マンション: 鉄筋コンクリート造りの集合住宅

• 礼金: オーナーに感謝の意味で支払うお金（返金されない）

• 敷金: 退去時の修繕費用などとして預けるお金（使われなければ返金される）

• 保証会社: 家賃滞納時に立て替えてくれる会社

• 火災保険: 火災による損害を補償する保険

• クリーニング費用: 退去時に清掃のためにかかる費用

• 仲介手数料: 不動産会社に支払う手数料

• 24時間緊急サポート費用: 緊急時の対応を受けられるサービス料

• 管理費: 建物や共用部分の維持管理費

• 鍵代: 鍵の交換費用

• 木造: 木を主な材料とした建築物

• 鉄筋: 鉄筋コンクリート造りの建築物

• 新築物件: 新しく建てられた建物

• 中古物件: すでに人が住んだことがある物件

4. これから日本に来る皆さんへアドバイス

上記は、日本で部屋を借りる際の基本的な流れと情報です。ウズベキスタンでは馴染みのない手続きや用語が多いですが、来日前にこれらの情報を把握しておくとスムーズです。特に日本語ができないと、審査で不利になることもあるため、日常会話レベルの日本語は学んでおくことをおすすめします。家賃滞納やゴミ出しのルールを守らない外国人が増え、日本で生活する外国人全体の印象に悪影響を与えています。日本で生活する際は、ルールを守り、責任を持って行動することが大切です。