豊田通商で活躍する先輩!
豊田通商で活躍する先輩!
~大手企業への就職・昇進に必要なものは計画性!
エルドール・サマノフ
2012-2017: タシケント国立法律大学で学士課程
2017-2018: SamAuto有限会社で法務担当
2018-2020: 一橋大学で自主研究
2020-2022: 一橋大学で修士課程
2022-現在: トヨタ通商株式会社で国際貿易スペシャリスト
(年間平均収入900万円)
日本への留学
私は柔道を始めたことをきっかけに、日本に関心を持ちました。2012年にタシケント国立法科大学に入学してからは、名古屋大学日本法教育研究センターで日本語と日本法を学び、2年生のときに日研生として1年間日本に留学しました。大学卒業後は、しばらくSamAuto社で法務関係の仕事をした後、日本で再び学びたいと思い、MEXTの研究留学生として一橋大学大学院に留学しました。
日本での就職活動
私は修士1年生の秋から就活の準備をはじめました。将来起業したいという夢があったので、様々なビジネスに携わることができ、新規事業投資を行う機会が多い商社を中心に15社ほどの企業に応募しました。最近は留学生枠を設ける企業も増えています。総合商社の豊田通商の新卒採用の留学生枠に応募したところ、応募から10日以内に内定をもらうことができました。
日本の独特な就活
日本の就活の仕方はウズベキスタンとは全然違うので要注意です。日本では多くの企業が同じスケジュールで採用活動を行います。採用活動が始まる前に企業研究・OBOG訪問・エントリーシートの提出・SPIテストや面接の対策などを計画的に準備する必要があります。
就活で意識すべきこと
就活では情報収集に困りました。企業や就活に関する情報はたくさんあるので、何が正しいのか取捨選択するのが大変でした。日本人の友達やウズベキスタン人の先輩に就活の相談をしたり、OBOG訪問などをすることで、少しずつ情報を集めていきました。
また、就活のときにはすでにN1を取得していましたが、それでも日本語に苦労しました。SPIテストも日本語で行われますし、日本語能力は常に向上させる必要があります。
豊田通商での仕事
豊田通商に入社した後は、モビリティ本部物流ソリューション事業部に配属され、フォークリフトの輸出に関連するあらゆる業務を行っています。最初2年は中米、2024年4月から中央アジアや韓国の担当として販売代理店の販売・マーケティング支援や輸出・貿易実務などの業務を行っています。
仕事はOJT(オンザジョブトレーニング)を通じて失敗もしながら覚えていきました。社内にはOJT担当者がいて、その人にいつでも相談することができました。
仕事上で苦労したこと 日本とウズベキスタンの文化の違い
日本特有のルールや慣習への適応にはとても苦労しました。たとえば、仕事の報告をする際にはまず直属の上司にするべきで、上司の上司に直接報告することは控えるべきだとされています。
日本人は直接的な表現を避ける人が多いので行間を読むスキルも求められます。お客さんが「いいですね」と言っても、本当はよくないと思っていることも多いです。ウズベキスタン人にはわかりにくく、上司に真意を確認することも多いです。私がある程度理解できるようになるまで2~3年はかかりました。
早めの相談が重要
日本企業で働きたいウズベキスタン人に対するアドバイスとしては、誤解が生まれないように、自分が日本文化をよく理解していないことを早い段階で上司や同僚に伝えたほうがよいということです。そうしないと、上司や同僚は、外国人であっても日本文化を理解していると思って業務を依頼してくるからです。
会社から評価される決め手
私は社内で順調にキャリアアップできています。日本では決められたことをしっかりこなしていけば昇進できますが、当たり前のことを当たり前のようにやるのはとても大変です。計画を立てて、それをしっかり実行していくことが日本の会社で評価されるために重要です。
豊田通商では昇進のために社内試験に合格する必要があったので、財務・会計・輸出入管理などの分厚い本を読んでしっかり勉強しました。
最後に伝えたいこと
日本はビジネスも人間関係もとても慎重に進める国です。また、年功序列の社会なので経験が重視されます。ウズベキスタンのように短期間で成果を上げてキャリアアップするということは難しいので、長期的な視点を持って仕事に取り組む必要があります。
また、日本語能力の大切さも強調しておきます。日本社会に溶け込むためには、なんといっても日本語が必要になるので、日本語学習はずっと続けていく必要があります。
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